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2026年新gTLD募集 1,615件の申請情報が公開 2012年募集との違いは?


執筆:株式会社日本レジストリサービス(JPRS) 虎本純也

ICANNによる2026年新gTLD募集における1,615件の申請情報が日本時間の2026年10月8日(木)早朝に公開されました。今回は2026年新gTLD募集の統計情報から、2012年新gTLD募集と比較して分析します。

申請状況サマリー(2012年募集との比較)

2012年募集と比較した今回の申請状況は次の通りです。

指標 2012年募集 2026年募集
申請件数 1,930件 1,615件
ユニーク申請文字列数 1,409個 986個 [*1]
競合申請数 751件(38.9%) 891件(55.1%)
ASP利用申請数 [*2] 3件申請、1件通過 51件申請
ブランドTLD申請数 486件(25.1%)[*3] 333件(20.6%)
コミュニティ申請数 84件(4.3%) 15件(0.9%)
地理的名称申請数 66件(3.4%) 13件(0.8%)

[*1] Replacement String(代替文字列)を除く。

[*2] Applicant Support Programの略。資金等のリソースに制約のある申請者向けの支援制度。申請費用の軽減や非金銭的な支援を受けることができる。

[*3] 2012年募集では「ブランドTLD」というカテゴリーは存在しなかった。ここでは、2012年募集で取得されたTLDの内、現在Specification 13(ブランドTLDに適用される特別規定)の適用を受けているTLDをカウントした。

特定の文字列への人気が集中、競合申請が増加

2012年募集では、1,409個のユニークな文字列が申請されたのに対し、2026年募集では986個と大きく減少しました。また、競合している申請の割合も38.9%から55.1%と上昇しています。多くの組織から申請されている文字列は次の通りです。

申請文字列TOP10(2012年)
2012年募集
申請文字列TOP10(2026年)
2026年募集

上の表を見るとわかるように、2026年募集では「agent」、「api」、「robot」など、2012年にはあまり注目されていなかったAIやテクノロジーに関連する文字列が多く申請されています。また、「.bit」など、暗号通貨を連想させる文字列にも人気が集まっています。

次回以降の新gTLD募集でも、時流を反映した文字列をめぐって激しい競合が繰り広げられるかもしれません。

コミュニティ申請、地理的名称申請の激減

2012年募集と比較すると、特定のコミュニティの利益のために運営されるコミュニティ申請は全体申請数の4.3%から0.9%、都市名や地域名を表す地理的名称申請は3.4%から0.8%に激減しています。

コミュニティ申請の申請は、他のコミュニティ申請でない申請と競合した場合、所定の審査(Community Priority Evaluation/CPE)を通過すれば、優先的にTLDを取得できるルールがあります。2012年募集では、29件のコミュニティ申請が他の申請と競合したためにCPEを受けましたが、通過したのはわずか5件でした。その厳格さが減少の原因となっている可能性があります。

また、地理的名称申請は2012年募集で既に世界の主要な都市名のTLDが取得されていることも一因と考えられます。[.tokyo/.nyc/.london/.paris/.berlinなど]

国別申請数は米国優位を維持、欧州は後退

国・地域別の申請動向は次の通りです。

国別申請数TOP10(2012年)
2012年募集
国別申請数TOP10(2026年)
2026年募集

米国が申請数最多国としての地位を維持する結果となりました。日本は前回は71件で第5位、今回は84件で第4位に位置しています。5位以下を見ると、中国からの申請が増えている一方、欧州からの申請数が減少していることがわかります。

なお、国別の集計は申請組織の登記地に基づくものであり、実際の事業活動の拠点や市場規模を反映するものではありません。例えば、マルタ共和国に登記地を置くLink Freedom Groupは1組織で158件を申請しており、大量に申請した企業の登記地とされている国・地域が上位に入る傾向があります。

その点を踏まえると、日本は米国に次ぐ規模の申請が実施されている国と考えることもできます。

2026年新gTLD募集の今後の流れ

Reveal Day以降のスケジュールは次の通りです(日本時間)。

  • 2026年11月18日:String Confirmation Day(文字列確定日)

申請者が最終的に申請する文字列の一覧が公開されます。これにより、各申請者がReplacement String(代替文字列)へ変更したかどうかが確定します。
Replacement Stringの詳細は過去記事「【速報】2026年新gTLD募集:申請文字列の一覧が公開(Reveal Day)」をご覧ください。

  • 2026年11月18日~2027年4月頃:String Evaluation(文字列審査)

最終的な申請文字列の確定後、180日間にわたり、すべての申請文字列に対して、技術的・倫理的に問題がないか、互いに類似している文字列がないか、といった観点で審査が実施されます。

  • 2027年前半:Prioritization Draw(審査順抽選)

また、2027年前半には、文字列審査後に実施される審査の順番を決定するための抽選が実施される予定です。執筆時点では具体的な実施方法は公表されていません。

String Confirmation Day後は異議申立てやパブリックコメントの募集も始まり、新gTLD募集も佳境に差し掛かってきます。JPRSでは今後も新gTLD募集の動向に注視し、最新情報をお伝えしていきます。

執筆者プロフィール

虎本純也

株式会社日本レジストリサービス(JPRS)
虎本 純也

2024年、JPRS入社。主に渉外業務に従事。ブランドTLDに関する情報収集・発信業務や、ブランドTLDの申請・審査関連業務などを担当。